「輸入自転車の欠陥で賠償命令」について

日本経済新聞等の各紙で報じられている「輸入自転車の欠陥による損害賠償責任」について、ポイントを解説します。

 
(1)イタリアの「ビアンキ」ブランドの自転車で走行中に前輪が外れて転倒し障害が残ったとして、被害者が輸入元の会社に損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は輸入元会社に約1億8,900万円の支払いを命じた。
 
(2)判決で、通常備えるべき安全性を欠いていたとして、製造物責任法上の欠陥があったと認めた。
 
(3)判決では、事故原因となったサスペンション分離の原因を推測。製造物責任法が定める欠陥については詳細な構造上の問題まで立証する必要はないとした。
 

判決のポイント 

(1) 無過失責任(欠陥責任)

○製造物責任法(PL法)は、製品の欠陥により他人の生命、身体、財産を侵害した場合に製造業者等に損害賠償責任を課す法律です。

○PL法において、「欠陥」とは、「通常有すべき安全性を欠いていること」と定義されています。すなわち、製造物責任の要件は、製造業者等の行為における「過失」ではなく、製品の「欠陥」という性状とされています。

○言い換えると、製造業者等に過失がない場合でも、①製品に欠陥があり、②損害が発生し、③欠陥と損害の間に因果関係があれば、製造業者等はPL法上の損害賠償責任が課されることになります。

 

(2) 輸入業者の責任

○PL法において、「製造業者」とは、「製造、加工または輸入した者」と定義されており、輸入業者は製造業者と同じ無過失責任を負っています。これは、被害者が海外の製造業者に直接訴訟を提起することは困難であることに配慮し、消費者保護の観点から、国内に存在する輸入業者に責任を課しているものです。(被害者や輸入業者が、海外の製造業者に賠償請求することを妨げるものではありません。)

 

(3)
訴訟件数の増加、
賠償責任額の高額化

近年、消費者保護意識の高揚、個人の権利意識の自覚等に伴い、損害賠償請求訴訟の件数は増加傾向にあります。

○また、今般の判決では、約1億8,900万円(介護費用約6,500万円、逸失利益約5,100万円等)の支払いが命じられたと報じられており、争われる金額も高額化していると言われています。

○製品安全に対する社会の目は年々厳しくなる一方であり、経営に大きな影響をあたえるような賠償事故になるケースも十分考えられます。

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