相次ぐ子どもの製品事故~子どもの製品事故を防ぐための対策のポイント~

internallink_icon_01.gif東京都が乳幼児の使う製品におけるヒヤリ・ハットの調査結果を発表
(2015 年10 月29 日 東京都生活文化局消費生活部)

東京都は、10 月29 日、乳幼児が使う製品及び保護者が使う乳幼児を
育てるための製品によるヒヤリ・ハット経験をアンケート調査し、そ
の結果及び注意ポイントをまとめた『ヒヤリ・ハット「乳幼児が使う
製品による危険」報告書』を発行した。

この調査は、乳幼児(0 歳児から小学校入学前の6 歳児)が使用する
製品等に関する危険の実態を把握し、事故の防止対策を図るために、
日常生活における危害やヒヤリ・ハット事例等を収集することを目的
に行われた。
今回の調査では、東京都及び近県に居住する未就学児の保護者3,000 人
に対し実施された(調査時期:2015 年1~2 月)。

この結果、保護者が「乳幼児が使う製品」でヒヤリ・ハットの経験
をした事例が1248 件あり、そのなかでも「おもちゃ」が538 件と多
いが、他の製品でもヒヤリ・ハットの経験があった。

このような実態を受け、東京都は保護者への注意を促すとともに、
製品を提供する事業者に対し、「製品を提供する事業者等は、危害お
よびヒヤリ・ハットの事例や保護者等の要望に注視し、乳幼児の安全、
事故防止に十分留意した上で製品開発を行っていただきたい。

また、保護者はじめ乳幼児の周りの大人は、乳幼児の身の回りの安
全を製品に委ねるだけでなく、子供の成長に伴う危険を予想・予測し、
事故の未然防止を心がけていただきたい。」との提言を行った。
同日、東京都は、本報告書の要旨をまとめた消費者向けの「乳幼児の
身の回りの製品事故防止ガイド※」を公開した。
※公表URL:
http://www.shouhiseikatu.metro.tokyo.jp/anzen/hiyarihat/documents/hiyari-12.pdf


internallink_icon_01.gif相次ぐ子どもの製品事故~子どもの製品事故を防ぐための対策のポイント~

国内トピックスにおいて紹介した東京都が発行した『ヒヤリ・ハット「乳
幼児が使う製品による危険」報告書』の他に、最近、行政等から子ど
もの製品事故事例として次のような事例が公表されています。

・国民生活センターが、2 歳の幼児が水で膨らむボール状の樹脂製品を
誤飲、十二指腸閉塞を発症し開腹手術により摘出したことを公表(10 月1 日)
・東京都が、ウォーターサーバーの注水レバーを子どもが操作したこと
によって熱湯が出て、やけどした等の事故が発生したことを受けての注意
喚起(10 月7 日)

子どもの製品事故については、「玩具等子ども向けの製品による事故」
と「子ども向けの製品以外の製品による子どもの事故」の双方の視点か
ら対策を考えることが重要です。

子ども向けの製品については、その安全性を担保するために国内外にお
いて、日本玩具協会による玩具安全基準(ST 基準)やISO/IEC Guide50
(安全側面-規格及びその他の仕様書における子どもの安全の指針)など
様々な法令や規格等があります。

これらを参考にしながら、過去の事故・ヒヤリハット事例を踏まえ、
より安全な製品の作り込みが重要となります。
また、製品事故が発生した場合、これらの法令や規格等を遵守していた
としても、次の判例が示すとおり、責任が認められる場合もあります。
事業者においては、規格や基準を参考にしつつも、より安全サイドに
立った設計が求められます。

relatedinfo_clauseicon_01.gif【鹿児島地方裁判所 平成20 年5 月20 日判決(概要)】

カプセルトイといわれる球状のプラスチック容器のカプセルに玩具が入
ったカプセルで遊んでいた幼児(2 歳10 か月)が、これを誤飲して窒
息し、低酸素状態となり、高度の後遺障害を負ったことから、カプセル
を製造した玩具メーカーの製造物責任が問われた判例で、事業者側は、
カプセルの直径が 40mm であり、ST 基準(31.8mm 以上)を満足して
いるため欠陥はないと主張したが、裁判所は当該基準を満たすことの
みで、カプセルが幼児の窒息防止のための十分な安全性を有していた
とは認められないと判断した。

一方、子ども向けの製品以外の製品による子どもの事故も、上記で紹介
した事故事例等からも明らかなように、その発生件数は少なくありません。
当該製品のリスクアセスメントを行う上で、使用環境において子どもの
使用(含む誤使用)を想定することが重要となります。
その際、当該製品や類似製品においては、子ども向けの製品ではない
ため、子どもの事故やヒヤリハット事例を集めることは困難な部分もあり
ますが、子どもの行動特性や行動範囲を理解し、対策を講じていくこと
が望まれます。
たとえば、様々な製品の子どもの誤飲事故が数多く報告されていますが、
これらの事例に共通するのは、色彩・形状・大きさ・臭い・模様(デザ
イン)等が子どもの興味を示すものであることです。
子どもは様々なものに興味を示しますが、その認識手段の一つとして口
に入れるという行動特性が背景にあると考えられています。
子どもの誤飲事故を防止する上で、このような行動特性を踏まえて事業
者は対策を講じておく必要があります。
(子どもの行動特性を踏まえた誤飲防止のための対策例)
・ 色彩:使用環境に合わせ目立たない色を使用する。
・ 形状:動物や食べ物などの興味をひくものを避ける。
・ 大きさ:幼児の手で掴め、口に入る大きさにしない。
・ 臭い:甘い香り、フルーツの香りなどは避ける。
・ 模様(デザイン):食べ物の絵や乗物・動物などの絵を描かない。
・ 持ちやすさ:幼児が手で持てる重さや、手でつかみやすい形状は避ける。
・ その他:パッケージを工夫する(子どもでは開けられない又はパッケ
ージが落下等の外部エネルギーに関して、ふたが開かないなどの耐力性
能を持ち合わせている等)。

なお、2014 年に第3 版が発行されたISO/IEC Guide51 においても脆弱な
消費者(障害者、高齢者、子どもを含む)の安全確保に言及されており、
これまで以上に子どもの製品事故リスク低減に向けた取組が事業者には
求められているといえます。

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