輸入業者とPL法

1.輸入業者とPL法

製造業者とともに輸入業者もPL法において責任主体となります。
その根拠として、以下の事項が挙げられます。

・輸入業者は日本国内における最初の流通開始者または製品供給者である
・輸入業者は日本国内の規制を受ける最初の事業者である
・外国の製造業者の責任を問うことが実質的に困難な場合が考えられる

 例えば、商社がアメリカから玩具を輸入し、国内の流通業者を通じ全国で
販売したとします。
その玩具に設計上の欠陥があり、玩具を使用していた子供がケガをした場合、
商社はPL法において責任を負わなければなりません。

 輸入業者も事故発生の際、製造物責任を負う可能性があることから、
製造業者同様、万全のPL対策が求められています。

輸入業者固有のPL対策として、前項で述べた以外に以下の項目が挙げら
れます。

internallink_icon_01.gif1)輸入製品の品質・安全基準の確認
 輸入業者の最善のPL対策は、欠陥のない製品を輸入することです。
しかし、欠陥の全くない製品を輸入するのは不可能です。
従って、輸入業者は、少なくとも製品に関する我が国の品質・安全基準
(例えば、食品であれば「食品衛生法」、電気製品であれば「電気用
品取締法」など)について確認し、これに合致した製品の輸入に努める
ことが重要です。

 たとえ輸出国の品質・安全基準を満たしていても、我が国の法令で定め
る基準を満たしていない場合、輸入業者は製造業者に対し、製品の設計
・製造について指導を行うことが必要になります。
また、製造業者の安全・品質管理体制についても常に把握し、不十分な
点がある場合には指導を行います。

internallink_icon_01.gif2)取扱説明書や警告ラベルの作成方法
 製品本体の製造・設計に欠陥がない場合でも、製品の取扱説明書や
警告ラベルの表示が適切でないときは、当該製品に欠陥があると判断
されます。

 輸入品の取扱説明書や警告ラベルの表示は、我が国の消費者が理
解できるように日本語に翻訳する必要があります。
この際、意味・内容を取り違えたり、日本語として分かりにくい文章にす
るなど、適切な翻訳がなされていないと、「警告・表示上の欠陥」とし
て輸入業者がPL責任を負う可能性があります。
そればかりか、海外の製造業者に対する求償権をも失うおそれがある
ので十分な注意が必要です。

 従って、輸入業者が取扱説明書や警告ラベルなどを作成する場合は、
製造業者に内容の確認をとりながら作業を進める必要があります。  

2.製造業者のPL対策の確認

輸入した製品を我が国で販売する場合、海外の製造業者がどのようなPL
対策を講じて
いるかを確認することが重要です。その際の確認方法として、

 ・製品の設計図・仕様書
 ・各種安全基準の認定証
 ・製造工程表
 ・取扱い説明書・警告表示
 ・クレーム処理マニュアル
 ・PL保険証券の写し

などの資料を製造業者から入手し、その内容をチェックをします。

 また、以上の資料だけで不十分な場合、輸入業者は製造業者の担当者
から直接話しを聞くか、もしくは製造工場を訪問します。

製造業者のPL対策を確認した結果、我が国で製品を販売する際に問題と
なる点が判明した場合には、輸入業者は製造業者に対策の改善を求めな
ければなりません。

internallink_icon_01.gif輸入契約の締結
 輸入した製品に欠陥があり、これにより事故が発生した場合、PL法の
規定により輸入業者は製造物責任を負います。しかし、輸入業者と海外
の製造業者の間の責任関係については、PL法では規定がされていません。

 従って、輸入業者が製造業者と輸入契約を締結する際には、製品の
欠陥により輸入業者が損害賠償請求を受けた場合、製造業者に求償で
きる旨の条項を盛り込んでおく必要があります。
そのほか、可能であれば契約書に・製品に関してクレームが起こった場
合、すべて海外の製造業者の責任で対処し、輸入業者に損害や負担を
かけないこと、海外の製造業者は、クレームに備えるため日本を対象地
域とするPL保険に加入するなどの条項も盛り込んでおきます。

 以上から輸入業者が、海外から製品を輸入する場合、事前に製造業者な
らびに製品の安全性の評価を十分行うことが何よりも大切なポイントとい
えます。
 

 

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