PL保険の賢い選び方

そもそもPL保険って必要なの?

営業先から取引の条件として、PL保険を要求されたが、
取り扱っている商品はどう考えても事故発生が想定できない。
意味を感じられないものに、コストを掛けたくない。

果たして本当に保険に入るべきなのでしょうか。

結論からすると、大抵の場合、ヒト・モノ・カネが充分ではない、
個人・中小企業にPL保険は必須となるといっていいでしょう。

製造でも販売でも商品・サービスに関わっている限り、有事の際、
過失が割り振られてしまう可能性を含んでおり、想定外のことに
備えておく必要があります。
販売業者と製造物責任
輸入業者とPL法

PL保険を利用するかどうかの判断基準はこの2つ。
十分な余裕資金があり、事故が起きても、自社で賠償金を支払える。
トラブルを解決に導く、知識・経験を持っている。
事故が起きても、十分な賠償資力、知識・ 経験があるようであれば、
PL保険に入ることは法的義務ではないため、必須ではないかもしれません。

大企業に至っては、潤沢な資金や法務部の存在などがあり、
リスクを自社で抱える体制を持っている会社もあります。

しかし、中小企業の場合、賠償資力、知識・経験ともに充分では
ないことが多く、保険に転嫁したほうが安くてお得なことが多いでしょう。

PL保険は、適正コストで大きな補償が得られ、PL保険に詳しい保険代理店
であれば、有事の際には助言を得られることが大きな価値につながります。

また第三者に対しても、自社の商品・サービスに対して、保険会社の発行した
保険証券の存在があることは、対外信用力も高まるでしょう。

PL保険の見積もりはどのようにしてとるのか?

PL保険というと耳慣れない保険ですが、一般的に自動車保険や
火災保険を取り扱っている損害保険会社が販売しています。

業種や売上高規模によっては、引き受けができないケースもありますが、
PL保険に詳しい保険代理店に問い合わせれば、大体のケースで
加入手続きの流れについて案内をしてもらえます。

また、屋号のない個人事業主がゆえに、手続きが可能か心配される方も
多いですが、特殊な場合でない限り、必要書類さえきちんと提出できれば
手続きを進めるのに問題ないでしょう。

1年にわたる契約で、原則事業全体に保険がかかる。

たくさんある取扱商品・サービスのなかから、商品・サービスごとに
抜き出して補償をかけるのではなく、全商品・サービスに包括して
補償をかけるのが原則です。

見積もりの際には、一年分の売上高が必要になるので、
・法人の場合、直近期一年分の損益計算書
・個人の場合、直近期一年分の確定申告書B第一表
を用意しておくと、 スムーズに見積もりを得られるでしょう。

また、短期のイベントのために一時的に加入したい場合でも、
上記のように一年分の売上高で保険料を計算する仕組み上、
年間包括契約のみの契約となります。

一定条件のもとに保険の対象を抜き出せることも。
保険の対象・売上高が明確であれば、一部対象を抜き出せることもあります。
たとえば、事業部ごとに決算をしていて、その事業部でPL保険を付帯するなど、
保険の対象・売上高を明確にすることで、ある事業部のみ抜き出して
保険の対象とすることも可能です。
ただし、実際に事故が発生した際に、事故原因が保険の対象に入っている
ものであるのか、不明確な状態になっている場合、保険金支払い手続きの
トラブルになりかねないので、慎重に対応することが必要です。

PL保険の保険料相場は?

PL保険の保険料は、業種・直近期一年分の売上高規模・過去の
事故歴等によって変わってきます。

保険の対象が「飲食店」(見込売上高3億円)で、次のような
契約内容の場合、保険料は、約306,000円(各種割増引適用前)
となります。

保険の対象が「ビル建設業」(見込年間完成工事高5億円)で、
次のような契約内容の場合、保険料は、約293,000円(各種割増
引適用前)となります。

(ご注意)上記の保険料は、年間保険料の一例です。
実際の保険料は、告知の内容、支払限度額、払込方法などによって異なります。

PL法について

internallink_icon_01.gif概要
「「製造物責任法」以下PL(product liability)とは、企業が製造した
製品の「欠陥」によって第三者の身体・財産に損害が発生した場合、その
損害に対して、賠償責任を負うことを言います。
商品(製造物)に欠陥(瑕疵)があるため、消費者、利用者等が損害を
被ったときに製造業者等に賠償責任を負わせようとするのが「製造物責任」
です。

現代社会では、各種の製品が大量に生産され、流通過程を経て、多くの
消費者に販売されていますが、PL事故が起こると、多数の被害者が広い
地域にわたって発生し、企業は巨額の損害賠償金の負担を強いられること
になります。

近年、消費者の食品・医薬品・家電製品等の安全性に対する関心が高く、
企業は安全で安心な製品を提供することが強く求められており、ひとたび
深刻なPL事故が発生すると、社会的責任が追及され、企業ブランドが
大きく低下します。

1995(平成7)年の製造物責任法(PL法)の施行によって、被害者の
製造業者に対する賠償請求が容易になり、さらに消費者意識の高まりに
よって、PL訴訟の件数は増加傾向にある等、PL事故は企業にとって
重大なリスクとなっています。

ここでは、この「製造物責任法」(以下PL(product liability))について
解説します。

internallink_icon_01.gif解説
PL法は、民法の不法行為の特別法として成立、全6条で構成され、企業
責任の厳格化という社会的動向の中で、製品の欠陥により他人の生命、身体、
財産を侵害した場合に製造業者等に責任を課す法理を採用したものです。

PL法では、製造業者等は、その引き渡した製造物の欠陥により、他人
の生命、身体または財産を侵害した時は、原則として、これによって生じ
た損害を賠償する責任を負うもの
としています。(PL法3条)
その損害が、不具合によるもの等、その製造物についてのみ生じた
場合には、債務不履行責任(民法415条)や売り主の瑕疵担保責任
(民法570条)の問題となり、PL法上の責任は生じません

(PL法3条ただし書)

民法の一般の不法行為責任(民法709条)における「過失責任」主義に
よれば、被害者が製造業者等の故意または過失の存在を立証しなければ
なりませんが、PL法では、被害者保護のために「欠陥責任」が採用さ
れています。

したがって、被害者は製造業者の過失を立証する必要はなく、 代わって
「製造物の欠陥」 を立証することで足りるようになり、単に次の事項
のみを証明すれば良いことになります。
・損害の発生
・当該製品の欠陥
・欠陥と損害との因果関係

また品質保証とPL法・PL保険の関係を明確化できないケースをよく見かけますが、
PL法・PL保険の対象とするものは、下記の拡大損害を指しています。
商品・サービス自体の品質を保証するものではないことを注意しましょう

internallink_icon_01.gif参考:製造物の欠陥による被害類型と法律関係
品質
損害
製造物の欠陥により商品価値が下がることによる損害(瑕疵損害)・不完全履行による債務不履行責任(民法415条)
・売買契約の場合は売主の瑕疵担保責任(民法570条)
・欠陥住宅等請負契約の場合は、請負人の瑕疵担保責任(民法634条、住宅品質確保促進法94条等)
・不法行為責任(民法709条)など
拡大損害製造物の欠陥により被害者の生命、身体または財産を侵害することによって生じる損害製造物責任法(PL法)3条

 

relatedinfo_clauseicon_01.gif製造物責任法

(目的)
第一条 この法律は、製造物の欠陥により人の生命、身体又は財産に係る被害が生じた場合における製造業者等の損害賠償の責任について定めることにより、被害者の保護を図り、もって国民生活の安定向上と国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。

(定義)
第二条 この法律において「製造物」とは、製造又は加工された動産をいう。

2 この法律において「欠陥」とは、当該製造物の特性、その通常予見される使用形態、その製造業者等が当該製造物を引き渡した時期その他の当該製造物に係る事情を考慮して、当該製造物が通常有すべき安全性を欠いていることをいう。

3 この法律において「製造業者等」とは、次のいずれかに該当する者をいう。

一 当該製造物を業として製造、加工又は輸入した者(以上単に「製造業者」という。)

二 自ら当該製造物の製造業者として当該製造物にその氏名、商号、商標、その他の表示(以下「氏名等の表示」という。)をした者又は当該製造物にその製造業者と誤認させるような氏名等の表
示をした者。

三 前号に掲げる者のほか、当該製造物の製造、加工、輸入又は販売に係る形態その他の事情からみて、当該製造物にその実質的な製造業者と認めることができる氏名等の表示をした者。

(製造物責任)
第三条 製造業者等は、その製造、加工、輸入又は前条第三項第二号若しくは第三号の氏名等の表示をした製造物であって、その引き渡したものの欠陥により他人の生命、身体又は財産を侵害したときは、これによって生じた損害を賠償する責めに任ずる。ただしその損害が当該製造物についてのみ生じたときは、この限りでない。

(免責事由)
第四条 前条の場合において、製造業者等は、次の各号に掲げる事項を証明したときは、同条に規定する賠償の責めに任じない。

一 当該製造物をその製造業者等が引き渡した時における科学又は技術に関する知見によっては、当該製造物にその欠陥があることを認識することができなかったこと。
※いわゆる「開発危険の抗弁」と呼ばれるもので、ここでいう「水準」はその時点での入手可能な最高の水準とされています。

二 当該製造物が他の製造物の部品又は原材料として使用された場合において、その欠陥が専ら当該他の製造物の製造業者が行った設計に関する指示に従ったことにより生じ、かつ、その欠陥が生じたことにつき過失がないこと。
※部品・原材料メーカーが、これを証明することにより免責となった場合、通常、完成品メーカーがPL法上の責任を負うことになります。

(期間の制限)
第五条 第三条に規定する損害賠償の請求権は、被害者又はその法定代理人が損害及び賠償義務者を知った時から三年間行わないときは、時効によって消滅する。その製造業者等が当該製造物を引き渡した時から十年を経過したときも、同様とする。

2 前項後段の期間は、身体に蓄積した場合に人の健康を害することとなる物質による損害又は一定の潜伏期間が経過した後に症状が現れる損害については、その損害が生じた時から起算する。

(民法の適用)
第六条 製造物の欠陥による製造業者等の損害賠償の責任については、この法律の規定によるほか、民法(明治二十九年法律第八十九号)の規定による。

例えば、損害賠償の範囲(民法416条)、損害賠償の方法(民法417条)、共同不法行為者の責任(民法719条)等が挙げられます。
なお、不動産、未加工の一次産品による被害や販売業者の責任などPL法の対象とならない場合には、民法の債務不履行(民法415条)や不法行為(民法709条以下)等による責任の問題となります。

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